人間の意識・環境、親の教育、依存症
その環境の違い何なのでしょうか?
その生活様式の変化や違いについて考えてみましょう
それは、親と子供の関わり合いの違いにあります。経済が発展し、また核家族化が進むにつれ親(または祖父・祖母)が子供に手をかける時間が以前より圧倒的に短くなりました。赤ちゃんは、胎盤教育でも知られているように胎児の頃から母親の感情を感じとり記憶しています。また抱かれることで親の無条件の愛を受け取っています。
しかし現代社会においては、赤ちゃんをベビーべットで放置させたり、1歳位で保育園に預けたりとやむを得ない事情はあるかも知れませんが、子供にとっては不安感や寂しさが募るばかりです。
これは、ペットでも同様の問題が起こっています。生後間もない赤ちゃん犬(3か月位)の方が需要は高い(人気がある)のですが、早くから親から離されると犬も精神的に不安定になりホルモンバランスも崩れ、攻撃的になるという報告もあります。
夫婦共働きの家庭で忙しいあまり、赤ちゃんと母親とのスキンシップが少ない事が問題視されています。
これは、後に子供が凶暴化する危険をはらんでいます。データとして母親と赤ちゃんとの繋がりが強い後進国では、子供が極端に反抗したり暴力をふるったりする事例は少ないという報告があります。
大人になって、肌を触れられるのに嫌悪感を抱く方は、親とのスキンシップが少なかったことが考えられます。
母親は子供を抱きしめることで愛情が生まれ、また子供も無意識ながらも母親から受けるものは甚大です。またこの時プロラクチンという女性特有のホルモンが作られ、これは”自然と子供の変化に気つ゛く”母性行動をする事に欠かす事ができないもので、親子との接触が必要となってくるのです。
(但し、母親が子供を抱きしめても、自らの幸せ感が感じらず子供に愛情が伝わらないとこれに該当しないことがあります。)
幼少期の子供の育て方が、その後の人生を大きく変えてしまう事になります。
人間の意識はどうなっているのか?
人間は他者と比較する習慣がある
”隣の芝生は青い”という言葉があるように、人間は常に他人と自分のレベルと比較しています。
比較するという意識は、他者から学び観察眼を持つ、つまり何が足らないのかを知る意識でもあります。
例えば、書道も模範となる書を忠実に模写することをします。模写する為に、比較することをします。
また物まね(歌マネ・形態模写)なども、本物を忠実に再現させることを比較し行っているのです。
他者と比較する習慣を無意識にしているのです。
この習慣は、神経伝達物質のミラーニューロンが関わっています。
しかし常に比較するという感情が、ネガティブ働くとストレスに感じてしまうことになります。
同意を求めたい(または確認したい)人間の意識
仕事に対する不満や愚痴を同僚に聞いてほしい、家での出来事を主人に話したい…。
ストレスを感じる事があると、他人にその同意を求めたがります。同じ感覚の人が周りにいるまたは自分の気持ちを理解してくれることで、安心(またはストレス解消)することになるのです。話を聞いてもらうだけで、ストレス解消になるので、人との繋がりやコミュニケーションの場は必要不可欠です。
しかし比較する意識と同意を求める意識が、ネガティブ働くといじめやDVなどの行動をおこす心理的要因になるので注意しなければいけません。
人間の意識を知る事で、自分を客観視してみましょう。
親と子供の関わり合いが、その後の性格を決めてしまう
人の感情が解らないという感覚
親から抱かれた事が少なかったり、ベビーベットで放置されている時間が多いと感情が育たなくなります。例えば子供が怪我をして、親が”痛かったね”と子供の気持ちに共感すれば良いのですが、”泣いているんじゃない”などと叱りつけると、その後子供は感じるままの感情を表現できなくなります。
現在、”喜怒哀楽の感情がはっきりわからない”または、”表現できない”と感じている方は、親からの愛情を受け取っていなかった可能性があります。
自分が責められている、人を責めてしまうという意識
親のしつけが厳しく、ストレスをただ子供にぶつけたりしていると、子供の脳には、ネガティブな思考の回路が作られ、その影響は成人しても続き、相手から強く言われると自分が責められている、または強制させられているのではないかという感情にかられます。そのような人は、人に気持ちを伝える時も感情が高まり、厳しく言ってしまったり、人を責めてしまうようになります。
子供は、無意識に親の感情を(良いことでも悪いことでも)学んでいます。
主観脳(感情・右脳)が働きやすくなってしまう
右脳しか働いていない10歳位までの時期、子供は感情的に物事を捉える事をしています。親が感情的になって、しつけをしている時、子供はその思考をそのまま受け取り、主観脳が働きやすくなり感情的に考える習慣がついてしまいます。
潔癖主義や完璧主義など、100%主義になってしまうのはなぜか?
~でなければならないという感情も親の影響を大きく受けています。
”早くしなさい、ちゃんとしなさい、まだなの”・・・幼少期に親からこのような言葉で育てられると完璧にやらなくてはいけないんだという意識を持つようになります。
これは、”どの程度~しなくてはいけないか?”という尺度が子供なのでまだ備わっていない、または良くわからない為、目一杯 やってしまおうとする意識によるものです。
*潜在意識は、通常ストッパーがかかっており、100%の力を発揮することはできませんが、子供の頃はこのストッパーが備わっていない為100%の力を使おうとしてしまいます。
10歳位までは、まだ論理的思考(顕在意識・左脳)が働かず、感覚・感情的にとらえているので、また判断力が伴っていない為、このような意識が定着してしまうのです。
例えば試験で90点取っても、10点ミスした事を親から責められたりすると、90点取った満足感は得られなくなり、満点とらなければならない完璧主義に意識が変わっていきます。
自分で決められない意識
親からのしつけが厳しすき、常に親の言うがままに子供が行動していると自分の考えで決められなくなり、自己解決能力が乏しくなります。親は、自分の言うとおり子供が動いてくれるので、親思いの子供だと思いがちですが、反抗期の無い子供ほどうつ病になりやすいのです。遺伝子学的に、子供は親から巣立つようにできており、それは10歳位になると親からの評価より他人からの評価の方を子供は好むように変化することでも明らかです。
親の価値基準で考えるので、自分の明確な考えが育たず、物事の判断基準が無くなり自分で決められなくなります。指示が無いと行動できない、指示待ち人間になってしまうのです。これが、自立心を阻害する要因となります。
これは、スポーツ界にも同様な事が言われ、監督の指示が厳しすぎて自主性を重んじない指導者が監督になると、自分の意思で行動できなくなり選手は常に監督の指示を気にするようになります。
親の期待に応えようとする子供の意識
親の高学歴や、有名人も子供に無用のプレシャーを与えることがあります。
それは、親の期待に応えよう(または答えなければならない)とする意識が強くなり、良い子供を演じるようになります。そして、良い成績を取るように努力したりほめられるように行動しようとします。それが過度になると息抜きができなくなり失敗すると、自責の念にかられたりと感情をコントロールすることができなくなります。人の失敗でも自分を責めるようになります。これは、本当(素)の自分と演じている自分とのギャップから生じる苦しみです。
良い子でいなければならないという感情もこれに該当します。
これは、親と子の距離感を遠ざけてしまう事につながり、子供が困った時に親に相談できないという悩みを作り出してしまうのです。
うつ病になる人が、真面目で几帳面が多い理由は親からしつけられた人と言えるでしょう。
感情に蓋をしようとする意識
人は、嫌な事は思い出さないようにしよう、または忘れようと感情に蓋をするようなことをします。
しかし潜在意識の中ではその意識が上書きされ次第にネガティブな感情が積もり積もっていきます。
感情に蓋をしても、やがてそれは耐えられなくなり、突然感情が爆発します。些細なケンカ原因が事件になってしまうような事例は、ネガティブな感情の蓄積が原因と言えます。
子供の頃の意識とは
幼少期(10歳~12歳)までは、主に感情脳(潜在意識)が働いています。
この時期、感情を学ぶことを無意識に行っています。そして、外界に意識が向かっています。物に触れたり、聞いたりすることで、感覚や感情を学んでいるのです。様々な事に興味を持ち、親に”なぜ…”としつこく質問するのは物事に関心がある表れなのです。この質問に親が無関心でいると、好奇心が育たず、成長するにつれやる気や物事に興味の湧かない子供になってしまうケースがあります。育児放棄、ネグレクトもこれに該当します。そして子供は、親や人の言う事を全てを受け入れようとします。これは世の中の良し悪しなどまだ判断がつかないので全てを真に受けてしまうことなのですが、強制的ではなく、自発的に全てを受け入れる感覚をこの時期に身につける事が非常に重要なのです。
親の過保護・過干渉が子供を苦しめる
自分で物事を決められない、決断できない人達が、増えてきています。
これは親の言うなりに行動してきた結果によるのもです。過保護・過干渉で問題なのは親が子供に対して正しいことをしていると思っている事です。
これは、子供に依存している状態であり、親は子供の為にしていると勘違いしていることが問題なのです。
親の過保護・過干渉で育てられた子供は、後に苦しむことになります。
子供は基本的に全てを受け入れようとしますので、親の子育てを疑うことなく受け入れてしまうことがその原因です。
感情が育たなくなってしまう
ストレスで感情に蓋をするのと同様、親の言うなりに行動し、自分の感情で決断することを怠っていると感情が育たなくなってしまいます。親の勧める会社に就職したり、結婚相手も親の気に入った人に決める…
などを続けていると、自分が何なのか?次第に物事に興味が薄れ、脳内の神経伝達物質が機能しなくなりうつ状態になるケースが増えてきます。
幼少期のトラウマが潜在意識の中に宿り、そのネガティブな感情からその後の人生において、自らを苦しめてしまう意識に変わっていくのです
社会環境の変化もうつ病と大きな関係があります
先進国にうつ病が多い理由はなぜか?
スピード化される現代社会から受けるストレス
IT社会になり、PCやスマホを誰もが所持するようになり、社会生活が便利になりました。
仕事の処理能力やそのスピード、データの処理速度の速さなど、この数年で目覚ましい進歩をとげたと思います。しかし、その一方で人間のストレスは増大するばかりです。
車の運転で、想像できると思いますが、スピードが上がれば上がるほど神経は緊張し体は硬くなります。
- *仕事での時間管理を家庭でも行い、家族から反発された事例
- Aさん(ご主人)は、会社では役職につき部下から慕われるサラリーマン。
しかし家族間ではあまり評判が良くありません。その理由が、家でも時間管理がはっきりしていて何かと口をはさむという事。旅行に出かけた時もAさんがツアーコンダクアターのように計画をたて、奥様もお子さんも楽しめませんでした。スケジュールが、ぎっしりだったようです。Aさんも、ご家族の為にしてあげたことが裏目に出てしまいました。Aさんは、会社では心身共に緊張しているので、せめて家庭生活では時間に意識を捉われず生活した方がご自分の健康の為に良いでしょう。真面目な人は、うつになりやすいのはこのような行動も一例に挙げられます。
睡眠不足の日本人
人間は寝ている間に、細胞の修復や記憶の整理などを行っています。
したがって、睡眠時間を削ることは寿命を縮めている様なものです。うつは不眠から始まります。
今から、30年位前までは不規則な就業時間や深夜勤務はあまり見られませんでした。自律神経が乱れる要素として睡眠不足が大きく影響をしています。不眠で脳が委縮したりするので、うつ病や脳への影響も避けられません。
豊か(便利)になれば、不便さの概念を知るというストレス
後進国で生活している人達は、物質的な豊かさを知らないので、現在不便だという概念がありません。
人は、豊かになって初めて不便さをという概念を知ります。これが、現代社会がストレスが多いという根源なのです。
例えば世界一と言って良い、日本の鉄道の時間の正確さ。スケジュールが立てやすく、スムーズに仕事を進める事ができます。しかし時間に正確さが渋滞や事故などで一たびその正確さが損なわれると、人はイライラしストレスに感じます。これは、鉄道が時間に正確であるという概念がある為に抱く感情です。
一方ハワイでは、時間に対して正確であるという認識が少ない為、遅れたりしてもあまりストレスに感じません。(現地では、そのことをハワイ時間と言っています)
通信手段が便利になって感じるストレス
携帯電話を持つ事で、いつでもどこでもつながるようになり感じるストレスがあります。黒電話の時代には、不在でつながらなくてもストレスは感じませんでした。しかし、携帯を持っていれば、連絡はすぐ取れるという思い込みがあるので、つながらないとストレスに感じてしまうのです。特に、メールの返信はすぐに返す、またはすぐに返してほしいと思っている方は、自分がストレスを感じながら生きていると思った方が良いでしょう。
便利さを知る=不便さという概念を知る不便さを知る=ストレスを感じる
スマホ、PCを手放せなくなる依存症
自分の意思をコントロールできなくなってしまう、やめられない依存症の人が多くなっています。若い頃からスマホを持つ事があたりまえに感じている10代は、持たないと不安感情にかられたり心配になってしまう依存症に悩む学生が増えてきています。日本人は、ギャンブルなど依存症になる傾向が強く、その原因としてドーパミンが関わっていると考えられています。
技術の進歩によるストレス
商品の製品化される期間が短くなることに比例して、その商品の寿命が短くなっています。例えば、車の開発もIT化により十数年前よりも早く、スピーディに商品化されるようになってきました。このことは、どの分野にも言えることですが消費者の多様性もその要因と考えられています。その為のプレッシャーは製造に関わる人に大きくのしかかってきます。商品の栄枯盛衰のスピードが激しく、旧商品の在庫管理が難しくなり、逆に商品が売れないまたは、売りずらい状況を作り出しています。
必ずしも”物質的豊かさ=精神的豊かさ”とは限らない
幸福度指数で世界一のブータン王国。所得も少なく、物も少ないのに、国民が幸福に感じる指数が世界でトップになっています。これは、物質的な豊かさは必ずしも精神的豊かさに繋がっていないことを物語っています。
我々は、現代のストレスにさらされている自分を知り、その中で生きているという自覚が必要です。